INTERVIEW
マドンナ松山
渡邊 涼子選手
現在在籍中
小学校2年生で野球と出会う
女子硬式野球チーム・マドンナ松山の渡邊涼子(わたなべ りょうこ)です。2012年に入団し、所属11年目です(2022年7月現在)。地元松山市の幼児向け体操教室で指導員の仕事をしながら、マドンナ松山で野球をプレーしています。
野球を始めたのは、小学校2年生の頃。父が少年野球チームのコーチをしていて、2歳上の兄もチームに入っていました。その影響で私も野球をやってみたら、すごく楽しかったんです。中学校では軟式野球部で野球を続け、高校でソフトボールに転向しました。その後は短期大学でもソフトボールを続けました。卒業後は地元を離れ、ソフトボールの実業団に所属。約1年後、実業団を退団して松山に戻ってきたタイミングでマドンナ松山へ入団しました。
松山に女子野球チームがあるのは以前から知っていました。「いつか地元の野球チームに入りたいな」と思っていたので、知人の紹介で入団できた時は嬉しかったです。小学校から中学校まで野球をやっていたので、ソフトボールから野球への転向は特に抵抗を感じませんでした。
ポジションに関係なくフラットな関係性のチーム
私のポジションは、ショート。ショートは守備範囲が広く、ダブルプレーや中継プレー、ベースカバーなどと役割が多いのが特徴です。私は技術的にはまだまだなのですが、このポジションは自分に合っていると感じています。もっと技術を向上させて、臨機応変に対応できる守備ができるようになりたいです。
チームでは副キャプテンを務めています。キャプテンを支える役割を果たす意識は持っていますが、「副キャプテンなのでこうするべき」とは特に意識していません。マドンナ松山のメンバーは、全員がフラットな関係です。私はこの空気感が好きで、練習後は私から後輩を誘ってよく食事に行きます。先輩後輩と隔たりなく、自然体でコミュニケーションができるムードですね。
私はとにかく野球が大好きなんです。楽しくプレーすることを大切に、練習や試合の際は積極的に声出しをしています。それによって、メンバーみんなが楽しく野球できていたらいいなと思っています。
キャプテンの池田千沙選手は、短大のソフトボール部時代からの同期(池田選手のインタビューはこちら)で、私が彼女をマドンナ松山へ誘いました。辛い時も楽しい時も一緒に過ごしてきたからこそ、強い信頼関係があります。お互いに支え合いながら、一緒に楽しくやっていきたいですね。
楽しくプレーする姿を見せつつ勝って恩返しを
マドンナ松山は、楽しく野球をすることを大事にしているチームです。もちろん、試合には勝ちたいので勝負にはこだわります。でも、まずは「マドンナ松山は楽しそうなチームだな」と、周囲の人たちに感じてもらいたい。これはチームメンバー全員で話し合った方向性ですが、私の野球に対する価値観とまさに一致しているところでもあります。
学生時代までは、厳しい環境でソフトボールをしてきました。「楽しむ」よりも「やらなければいけない」という思いが強かったです。でも、マドンナ松山に入って、楽しくプレーする大切さを経験すると、私の価値観が大きく変わりました。まず自分が楽しんで、見ている人に楽しい気持ちになってもらうのが大事だなと思うようになったんです。
これまで野球をしていて一番嬉しかった出来事は、2015年の全日本女子硬式野球選手権大会の準決勝で、勝利を収められたこと。当時、私は入団2年目でした。試合は中盤からシーソーゲームの展開となり、2点ビハインドで最終回に突入。なんとかチャンスを作ると、私を含めて打線が爆発して、3点追加で逆転し、劇的な勝利となりました。チームのみんなで力を合わせて勝ちにつなげられたのが、何よりも嬉しかったです。
今のマドンナ松山は、苦しい時期。選手が集まらなかったり、なかなか試合に勝てなかったりする期間が続いています。松山市やスポンサーの方々、応援してくださる方々のサポートがあってこそ私たちは野球をできているので、なんとか勝って恩返しがしたいと思っています。
楽しさを軸に1試合でも多く勝つ
この夏は、全日本女子硬式クラブ野球選手権大会で千葉県に遠征します。「野球を楽しむ」というチームの軸は大切にしつつ、1試合でも多く勝つことが目標です。もし試合で不利な流れになっていたとしても、明るく楽しくプレーすることをモットーにしたいですね。
私にとって野球とは、楽しいもの。「野球に出会えてよかった」と心から感じています。これまで私は野球しかやってこなかったので、野球をしていない自分は想像がつかないくらいです。
野球の醍醐味は、最後まで何が起こるかわからないところだと思っています。2015年の準決勝がまさにそうでした。2アウトでも次のバッターにつないで、最後にホームラン1本が出れば、勝敗が決まります。私自身が野球を楽しんで、野球の魅力をひとりでも多くの人に伝えていけたら嬉しいです。
いつも応援して下さる方々には、感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございます。「マドンナ松山の選手は本当に野球が好きなんだな」と思っていただけるようなプレーをお見せできるように、頑張ります。これからも応援のほど、よろしくお願いします。