愛媛FCレディースサポーター 渡部 英俊さん

INTERVIEW

愛媛FCレディースサポーター
渡部 英俊さん

愛媛出身・千葉育ち。アウェー戦の応援リーダー

愛媛FCレディースサポーターの渡部 英俊(わたなべ ひでとし)です。私は愛媛県出身で、現在は千葉県で会社員をしながら愛媛FCレディースのアウェー戦の応援リーダーをしています。

 

私は、以前からサッカーやバレーボールなど、スポーツ観戦が好きでした。男子トップチームの愛媛FCが日本フットボールリーグ(JFL)に参入したのが2001年。将来的にチームがJリーグを目指すと知り「もし愛媛FCがJリーグに昇格することができたら、愛媛県の良さを全国に知ってもらえるのでは」と考えて、男子チームを応援し始めました。JFL参入当時はチームの知名度もなく、アウェー戦ではサポーターもおらず、私一人だけが応援コールを送る試合会場もありました。JFLでの5年間はもがき苦しむことのほうが多かったように思います。年数を重ねていくうちにサポーターも増え、2005年にJFL優勝。悲願のJ2リーグ昇格を果たしました。

 

その後、2011年に愛媛FCレディースが発足。女子サッカーにも興味があったのでレディースも応援するようになりました。チーム創設時は今よりもサポーターが少なかったので「誰がチームの応援を支えるんだ? 自分がやろうじゃないか」と考えたんです。地元愛媛に住んでいるサポーターたちが遠方まで応援に来るのは大変なので、関東在住の自分がアウェー戦の応援を引っ張っていきたいと思いました。

 

愛媛FCレディースを初めて応援したのは、チャレンジリーグの入替戦予選大会です。これに勝てば自動昇格が決まるという大事な試合でしたが、残念ながら勝てずに昇格は持ち越しに。昇格を決めるゲームは北海道で行われることとなり、私は居ても立っても居られず現地まで応援に行ったんです。結果は、見事昇格。当時、現地で数人しかいないサポーターのみんなで力を合わせて応援したことが印象に残っています。

応援するモチベーションは愛媛への愛

私はサッカーのプレー経験がなく、戦術に関しては全然詳しくないんです。愛媛FCレディースを応援するモチベーションは、地元である愛媛への愛です。愛媛の良さをたくさんの人に知ってもらいたいんですよね。

 

私は、アウェー戦の応援で全国各地に行って美味しいものを食べたり、何か新しい発見をしたりすることが楽しみの一つになっています。そのように、愛媛にも多くの人たちが訪れることによって、地元の魅力が伝わったら嬉しいです。

 

愛媛県と言えば、何を思い浮かべますか? みかんを想像する方が多いかもしれませんが、決してそれだけではないんです。海と山のバランスが良く、魚が美味しくて、あたたかい地元の人たちがいて……語り尽くせないほど、愛媛県は魅力的なところです。スポーツを通じて愛媛県の素晴らしさを伝えていきたいと思っています。

アウェー戦での応援の大変さとチーム愛

アウェー戦での応援は愛媛FCレディースサポーターが少ないのでハードな部分があります。ただ、そんな中でも自分が選手を後押ししたいという想いが強いんです。

 

チーム発足時、選手たちは電車移動が多く、偶然同じ電車に乗ったことがありました。選手から私に声を掛けてくれて、一緒に試合会場に向かったのも良い思い出ですね。現在では多くのスポンサーの方々に支えられて貸切バスでの移動がメインになっています。今では考えられないことですが、本当にあたたかいチームだと思っています。

 

他のチームではあまりないのかもしれませんが、愛媛FCレディースのゲームでは、試合前後に選手とサポーターが交流する場面があります。選手たちがスタンドのサポーターの前に並び、キャプテンと応援のリーダーである私とのやりとりがあります。今シーズンの最終戦では「ここまでやってきたことを出し切って、最後にみんなで勝利のラインダンスをしよう!」と試合前に想いを伝えました。なぜこれをやるかと言うと、自分たちの想いを声に出して選手へ伝えれば、その熱意が勝利に繋がると信じているからです。

 

愛媛FCレディースは強いチーム愛で支えられています。2019年にリーグ初優勝できたのは、チーム愛によるところが大きかったと感じています。選手やスタッフ、サポーターたち、全員の一つ一つの積み重ねが形になったと思っているので、これからもチームを支えていきたいです。

 

チーム愛を選手から返してもらったエピソードがあります。私の結婚披露宴で、選手たちからのお祝いメッセージ動画をサプライズ上映してもらったんです。知人を通じて動画撮影に協力してくれたそうで、本当に驚きました。選手たちから愛を返してもらい、心から嬉しかったです。

関東にもチームを支えるたくさんの仲間が

なでしこリーグ1部では、東日本での試合も数多く行われており、関東在住のサポーターが中心となって応援しています。愛媛FCのかわいらしいマスコットのぬいぐるみを飾って、ゲートフラッグを掲げ、それぞれが思いを込めてレディースを楽しく応援しています。また次も試合会場に来たい、応援したいと思える雰囲気作りを心掛けています。

 

まだレディースの試合を見に行ったことがない人が多いとは思いますが、ぜひ一度会場に足を運んでほしいです。男子に比べたらスピードや迫力といった部分ではかなわないですが、しなやかさや、ひたむきで献身的なプレーは心を動かします。スタジアムでは選手との距離が近いのも魅力のひとつです。

 

日中は仕事や学業に励み、夜はサッカーの練習というハードな日々を送っている選手たちには本当に頭の下がる思いです。悔しい結果があるからこそ、次の感動が生まれる。でも次の感動を味わうにはこの困難に打ち勝たなくてはなりません。「心技体」の心の部分を、私たちサポーターで選手たちを一緒に後押ししようではありませんか。

苦しい時こそ自分がチームを支えたい

2022年のシーズンは12チーム中11位という悔しい結果でした。私はアウェー戦の11試合すべてに応援に行きましたが、残念ながら一試合も勝利することができませんでした。

 

チームが苦しい状況の時、選手やスタッフ、環境のせいにする人もいるかもしれません。でも、私はそうは思わず、応援の力でチームを支えることができなかった自分自身の力不足だと感じています。チームが苦しい時、一番頑張らないといけないのは私たちサポーターです。ただ、選手、スタッフ、サポーターが勝つために精一杯奮闘しましたが、結果が伴いませんでした。私は選手たちと一緒に戦っていると想っているので、結果に対する責任を感じています。

 

愛媛FCレディースは、真面目にサッカーへ向き合うチーム。これからもひたむきに、支えてくれる人たちへ「ありがとう」の気持ちを持って、勝利を追い求めて欲しいと思います。来シーズンも選手たちとアウェー戦での試合を共に戦い、喜びも悔しさもみんなで分かちあって行きたいです。選手たちの輝く笑顔が明日への活力です。

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