INTERVIEW
愛媛FCレディースサポーターズクラブ代表 松本 晋司さん
サポーターは「12番目の選手」
愛媛FCレディースは、いまでこそ日本女子サッカーのトップリーグである「なでしこリーグ」で活躍するようになりましたが、地元四国のサッカーリーグから駆け上がってきたチームでした。
環境に負けずに戦っている彼女たちの姿は、見る人の心に訴えかけるものがあります。例えば、地方のチームなので都会のチームのように天然芝で練習できるような環境が整っていません。それでも彼女たちは毎日、足首や膝への負担が大きいといわれている土や人口芝のグラウンドの上で、情熱を注いで戦っているんです。
過酷な環境にもめげずに努力している彼女たちが良い結果を残せるように、「サポーターとしてお手伝いできることはなんでもしたい!」と思いますね。
僕たちサポーターも「12番目の選手」だという思いで日々活動をしています。
努力の積み重ねで勝ち取った「優勝」は、サポーターにとっても一生の宝物
チームの設立時、中田麻衣子さんという日本代表にも選出されたような実力のある選手がキャプテンとして引っ張っていってくれたことをはじめ、愛媛FCレディースのために頑張ってくれた選手やスタッフ、また陰ながらチームを支えてくださった支援者が大勢いました。
そういう方々が築きあげてきた努力の積み重ねで、2019年ついになでしこリーグ2部で優勝し、1部に昇格できたんです。設立当時から応援し続けているサポーターとして、こんなに感動できることはありません。
2019年の優勝の瞬間は、一生僕の記憶に残るシーンとなりましたね。
愛媛の気候のような「温かさ」のあるチーム
和気あいあいとした温かいチームの雰囲気も魅力のひとつです。
監督もメンバーも一丸となって、みんなで話しあってチーム運営をしている。サポーターから見ても結束力が高いなと感じられるし、とても良い雰囲気のなか戦っているから気持ちよく応援できるんです。
選手のみなさんはサポーターにも気さくに話しかけてくれるような温かい方々ばかり。そのメンバーから日本代表が選出されたり、世界を舞台に活躍する選手がでてきたりすると、本当に嬉しいし、自分のことのように誇らしい気持ちになりますね。
チームのさらなる高みのためなら、なんでも手伝いたい
愛媛県って、県外から見るとサッカー不毛の地だったんです。県内のスポーツの話題といったら、高校野球か県出身のプロ野球選手の話くらいで。それが、南宇和高校サッカー部の全国優勝をきっかけに県内のサッカー熱が高まり、そこに愛媛FCレディースの本体である愛媛FCが設立されたことで、少しずつサッカー文化が根付き始めたんです。
徐々に県内のサッカーに対する感心が高まってきているな、と感じる場面もあるんですが、先に話したように選手たちはいまでも土や人口芝が引かれた過酷な環境で練習をしていて……。
今後1部リーグ所属のチームとしてより高い目標を追っていくなら、選手に負担がかからないように環境を改善していって欲しい。そのために、僕たちサポーターの力が必要であれば、なんでもお手伝いしたい。
最近、他のサッカーチームではクラウドファンディングを利用して、サポーターから支援金を募るところも出てきているようです。愛媛FCレディースもそういった取り組みを始めるなら、ぜひ協力していきたいですね。
サポーターができることは、まだまだまたくさんある!
愛媛FCレディースは2020年で設立10年目を迎えました。これまで彼女たちが一丸となって築き上げてきたチームは、僕たちサポーターにとっても大切なチームです。
このチームの存続のためには、より「地域密着」させることが大事だと思っています。そのために、僕たち地元のサポーターができることはまだまだたくさんあるはず。これからも「12番目の選手」として、選手たちと一緒に戦っていきたいと思っています!