マドンナ松山 田村 優奈選手

INTERVIEW

マドンナ松山
田村 優奈選手

現在在籍中

海外生活を経て気がついた。「私はもっと野球を楽しんでいい」

女子硬式野球チーム マドンナ松山の田村優奈(たむら ゆうな)です。ポジションはライトとキャッチャーです。また、コーチ兼選手としてメンバーの育成にも携わっています。

野球との出会いは小学2年生の時。兄が所属していた軟式野球チームの練習について行ったことがきっかけでした。軟式野球からスタートし、その後、硬式野球を経験した時にボールが遠くに飛ぶ感覚がすごくおもしろくて。そこから野球にのめり込みました。

 

中学、高校、大学とソフトボールに打ち込み、大学を卒業した2006年に設立されたマドンナ松山に入団。そこから、特別支援学校の教員として働きながらの、新たな野球人生が始まりました。マドンナ松山の存在がなければ、私の野球人生は大学卒業で終わっていたと思います。

 

一時期、野球から離れていたことがあります。念願だった青年海外協力隊に選ばれたんです。マドンナ松山を退団し、2013年から2年間マレーシアで障がいのある子どもたちに体育を教えていました。言葉の通じない海外での2年間は、障がいがあってうまく言葉にできない子どもたちの気持ちを、身をもって知ることのできた貴重な経験でした。

 

帰国後、マドンナ松山に復帰してからは、以前より野球を楽しめている自分がいました。それまでは、野球に対しての重圧や緊張感がとても大きかったんです。もちろん、応援してくれる方々に勝って恩返しすることは当たり前。そのうえで、「もっと自分も楽しんでいいんだ」と思えるようになりました。そのことも、海外経験を経て視野や価値観が広がったお陰だと思います。

若手選手とベテラン選手が刺激し合う、それがマドンナ松山の力の源

マドンナ松山が大切にしているのは「楽しく勝つ」ということ。辛い時も悔しい時も楽しく、明るい雰囲気を絶やさないチームです。私のコーチとしての役割は、監督の指示をきちんと選手に伝えること。そして、キャプテンが大変な時に支えることです。関係づくりのために、練習前に必ず全選手とコミュニケーションをとっています。辛そうな選手がいたら、個別に連絡をとって「これがしんどいんだね?」「じゃあ、これをクリアするには、この方法がいいんじゃないかな」と、悩みを引き出して一緒に考えを整理します。相手の様子次第で、言葉だけでなく、きちんと文章で伝えるようにもしています。時には厳しく言うこともあります。例えば、片付けや準備の時にきちんと周りを見て動けないと、それが試合に出てしまうし、きちんと声を出さないと怪我に繋がります。そういった行動面は普段から注意しています。

 

練習中は、連携ミスや疑問点があったら、その都度、練習を止めて選手同士で「こういう感覚でやろう」と答えを出してから再開しています。若手選手からも、「外野フライはどういう感覚でボールを追っていますか?」などと積極的に質問があります。監督や私の指示ではなく、どの選手も練習を止めて確認したり質問することができる。それは、マドンナ松山のいい文化だと思います。

 

マドンナ松山には、幅広い年齢層の選手がいます。若手選手はベテラン選手に近づけるよう一生懸命努力し、ベテラン選手は辛い時に若手選手から力をもらう。若い力とベテランの力が、上手くかみ合っているのがマドンナ松山の魅力です。

女性が野球をやることが当たり前の環境に。それが何より嬉しい

松山市には野球好きの方が多く、町で「応援してるよ」と声を掛けてくださったり、職場でも「明日の試合がんばってね」と話しかけてくれたりと、とても励みになっています。地域との交流で大切にしているのが、年に1回開催している親子野球教室です。イベントを通して、子どもたちにマドンナ松山を知ってもらい、選手を身近に感じてもらえたらと願っています。どの選手も、自分が貢献できることを探して真剣に教室活動に取り組んでいます。野球教室で初めてマドンナ松山を知った親子が、試合の応援に来てくださることも。イベントをやっていてよかったと思う瞬間です。

 

松山市は野球ととても近い関係にあります。私が野球を始めた頃と比べて、女性が野球をしやすい環境になったと感じています。今は、女性が球場にいても違和感がない。「女の子が野球やるの?」と驚かれるのではなく、普通に応援してもらえる環境になったことが何より嬉しいです。

守備でリズムを作って、まずは1回戦を勝つこと

チームとしては、10月の全日本女子硬式野球選手権大会でまずは1回戦を勝つことを目標にしています。マドンナ松山は守備でリズムを作っていくチーム。いかに集中して守れるかが鍵です。そのために、日々の練習で細かな修正を重ねながら守備をブラッシュアップしています。特に注目なのは、渡邊涼子選手です。守備もバッティングも1番よくて、ピッチャーもこなす選手。試合では、ぜひ涼子選手の活躍に注目してください。私個人の目標は、1打席目から結果を出すこと。1打席目にこだわって流れを作れるようにがんばります。また、アットホームなベンチの雰囲気もマドンナ松山ならでは。ベンチの様子も楽しんでいただきつつ、ぜひ試合の応援やSNSのフォローをよろしくお願いいたします。

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