伊予銀行VERTZ 須永 小晴選手

INTERVIEW

伊予銀行VERTZ
須永 小晴選手

現在在籍中

怪我で苦しんだ経験から学んだ、チームのために決断する大切さ

伊予銀行VERTZ入団2年目、ピッチャーの須永小晴(すなが こはる)です。ソフトボールを始めたのは小学3年生で、母親がソフトボールクラブの監督をしている同級生に誘われたのがきっかけです。当初は「ボールが速くて怖いな」という気持ちもありましたが楽しく続けてきました。

 

左投げなので「ピッチャーをやってみよう」ということで、小学3~4年生からピッチング練習を始め、5年生から試合でもメインで投げるようになりました。その後、中学・高校とステージが上がるたび「自分は通用するのかな?」と不安はありつつも、「戦える」という手応えを感じながら投手としてソフトボールに打ち込んできました。

 

ただ、高校3年生の時、ソフトボール人生で一番苦しい経験をしました。それまで怪我をすることはほとんどなかったのですが、立て続けに大きな怪我を負ってしまったんです。完治しないまま大事な試合を迎え、「自分がメインの投手」という想いもあって怪我を押して投げ続けました。結果、普段なら勝てるはずの相手に負け、まさかのインターハイ予選敗退。チームのことを考えればピッチャーを交替してもらうべきでしたが、自分の想いを優先してその判断ができなかった…。苦しい経験でしたが、チームのことを深く考えるきっかけになりました。

実業団で味わった初めての感覚と、一球の重み

VERTZに入団して初めてオープン戦で投げた時の感覚は、今でも忘れられません。会場の広さやスタンドの雰囲気に飲まれて、自分が投げているかどうかも分からないほど緊張してしまったんです。オープン戦で何度も投げるうちに慣れてきたものの、公式戦になると緊張が蘇る状態でした。試合や練習で経験を重ねるうちに緊張は和らいでいきましたが、特にキャッチャーの安川さんの存在が大きな支えになりましたね。

 

昨シーズン、第15節の東海理化戦で初めての勝利投手となった時は、本当に嬉しかったです。私自身、その時はあまり調子がよくなかったのですが、安川さんをはじめ仲間の導きがあってこその勝利だと思っています。1番印象に残っている試合は、第9節のビックカメラ高崎戦です。先発登板していましたが3回に3点を取られ、ビハインドのまま迎えた6回に浅石選手が3ランホームランを打って同点に追いついてくれました。でも、その裏で先頭打者にホームランを打たれて負けてしまったんです。同点に追いついた時には会場もチームも盛り上がっていたのに、「自分の一球でこんなにガラッと雰囲気が変わってしまうんだ…」と落ち込みました。もちろん、学生時代にもそういった経験はありましたが、一球の重みを痛烈に感じた忘れられない試合です。

キャッチャーとの信頼関係の大切さを実感。周囲に支えられ駆け抜けた1年

VERTZに入団して「やっぱり実業団ってすごいな」と思うことはたくさんあるのですが、その中の1つがキャッチャーの存在です。高校までは、キャッチャーに対して「ただ投げる」感覚で、今ほどキャッチャーに信頼を置いてなかったと思います。キャッチャーの安川さんは観察力がすばらしく、私のフォームの違いや気持ちの状態にも気づいてアドバイスをしてくれます。「キャッチャーによって、投手ってこんなに変わるんだ!」と衝撃を受けましたね。

 

ピッチャーの先輩である庄司さんや黒木さんも、私が投げている間にブルペンから見ていて、「フォームのここが違うよ」「焦り過ぎてるよ」など、自分では気づけないことをアドバイスしてくれます。試合中のアドバイスだけでなく、身体の使い方や「この筋トレはどのフォームに効くのか」といったフィジカル面まで、教わることばかりです。

 

私は今まですごく有名なピッチャーだったわけでも、世界大会などを経験したわけでもありません。小学校から高校までソフトボールを続けてきたとはいえ、実業団は別次元。経験ゼロで1から学ぶ気持ちで取り組んでいます。先輩方は「自立しなよ」と言いながらもいつも気にかけてくださって、まだまだ先輩方がいなかったら自分は成り立っていないなと感じています。

個人で新人賞、チームで決勝トーナメント出場を目指して

ピッチャーは2年目まで新人賞を獲ることができるので、個人の目標としては新人賞を目指したいです。左投げなので、右ピッチャーに出せない球筋は強みですが、球速・コントロール・変化球すべての技術をレベルアップさせる必要があると感じています。オープン戦からでも「試合で変化球を投げられる」という自信を積み上げていくことが大事だと思っています。

 

監督が替わり、チームは新体制になりましたが、今シーズンも目標は変わらず「決勝トーナメント出場」を目指します。1人ひとりがチームの雰囲気を盛り上げ、よい部分を伸ばしつつ問題点を改善して、決勝トーナメントに一番近いチームを目指していきたいです。サポーターの皆さまから力をもらっているように、私たちが勝つことで皆さまに喜びを与えられたら嬉しいです。これからも応援よろしくお願いします!

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