INTERVIEW
伊予銀行VERTZ
川口 茉菜選手
現在在籍中
大学でぶつかった初めての壁。殻を破って思い切ったプレーができるように
伊予銀行VERTZ入団3年目、野手の川口茉菜(かわぐち まな)です。静岡県出身で、野球をしていた父と兄の影響で小学3年生の時に野球を始め、中学生からソフトボールを始めました。初めは下投げの球を打つのが難しく、距離感が近くて怖さもありましたが、ソフトボールの速いプレー展開がおもしろくて夢中になりました。
「ソフトボールの強い学校に行きたい!」と、厳しい指導で有名な高校に進学。高校のソフトボール生活は本当にしんどくて、特に「陸上部なのか⁉︎」というくらいのランニング練習が大変でしたね。辛い練習を一緒に乗り越えた高校の同期は、今でも一番「熱い」仲間です。
高校で出られなかった全国大会を目指し、大学は強豪の中京大学に進学。野球をしていたアドバンテージもあり、中学・高校まではすんなりレギュラーだったものの、大学はレベルが段違いで、最初はベンチ入りもできませんでした。私は人見知りで先輩と話すのが苦手なのですが、積極的に先輩に話しかけてアドバイスをもらうようにしたんです。周囲とコミュニケーションをとるようになってから思い切ったプレーができるようになり、徐々に試合に出られるようになりましたね。
野手と投手の絆に惹かれVERTZ入団。模索の1年目から飛躍の2年目へ
大学時代、いくつかセレクションに参加した実業団の1つがVERTZでした。VERTZのピッチャーに投げていただいてバッティングしたのですが、終わった時に野手の皆さんがピッチャーに向かって大きな声で「ありがとう!」と言っていたのが印象的でした。野手とピッチャーとの絆や温かい雰囲気を感じて、「このチームでプレーしたい」と思ったことが入団の決め手になりましたね。
入団して1年目は指名打者としてバッティングメインで出場しましたが、ピッチャーの球がすごく速くて変化球も多く、なかなか結果が出ずに苦しみました。また、自分のためだけではなく、「周囲のために結果を出す」という実業団でプレーする重圧も感じました。結果を出すためにとにかくバッティング練習に励み、過去の試合映像で投手のデータを集めて分析しました。
それまでは感覚でプレーしていた部分もあったのですが、1打席ずつ振り返って「今のはここが悪かったから、次はこう修正しよう」と考え、練習でも「言われたことを取りあえずやる」のではなく、「何をどうするための練習なのか」をしっかり自分に落とし込んで取り組むようになりました。すると、2年目の昨シーズンでは結果が出せるようになり、お陰様で三塁手としてベストナインにも選ばれました。
野手と投手が一体になって戦うために。投手の背中を押せる存在になりたい
昨シーズン第4節のタカギ北九州との試合は、特に印象に残っています。私のエラーで点差をつけられて終盤に入り、「このまま私のせいで負けてしまうかも…」と焦りました。先輩方が打って繋いでくれて1点差まで追いついた最終回。私も先頭打者で何とか塁に出ると、先輩がヒットを打ってくださってサヨナラ勝ちできたんです。エラーをした申し訳なさと、抑えてくれたピッチャーや打ってくれた先輩方への感謝と、ホッとした気持ちが入り混じって号泣してしまいました。
昨シーズン、ピッチャーと野手が噛み合わないことが多かったのが、チームとしての反省点です。例えば、ピッチャーが最少失点で抑えていてもバッターが打てなかったり、バッターが打ててもピッチャーが失投でヒットを打たれたり。もっと野手とピッチャーが一体になって戦う必要があると思っています。
野球やソフトボールは「ピッチャーが9割」と言われ、ピッチャーが投げないと始まりません。野手とピッチャーとの信頼関係はすごく大事で、「この人が守っていたら投げやすい」と話すピッチャーも多いです。試合中にピッチャーが苦しい場面で話しかけて笑顔にさせたり、時には背中をドンと押して喝を入れたり、両面でピッチャーを支えられる存在になりたいですね。
応援への感謝をこめて、2年連続ベストナインとプレーオフ進出を目指す
今シーズンのチームの目標はプレーオフ進出です。チームが新体制になったのでこれから作り上げていく部分もありますが、メンバーはこれまで以上にプレーオフ進出に強い想いを持っており、昨年より戦えそうな気がします!私はチームを和ませる役割でしたが、内野では1番上の世代になるので、今シーズンはチームを鼓舞して引っ張っていきたいです。
個人の目標としては、昨シーズン獲得したベストナインを今シーズンも目指したいです。相手チームに分析されているので2年連続のベストナインはとても難しく、昨年の倍以上の努力が必要だと思っています。数字を気にし過ぎて自分が潰されないよう、気持ちをうまくコントロールして今シーズンを迎えたいですね。
会社には応援してくださる方がたくさんいて、試合中に落ち込む場面ではサポーターさんの声援に「下を向いてちゃダメだ!」と力をもらっています。たくさんの方々の支えがあるからこそ、思い切ってソフトボールができています。応援してくださる皆さんに感動を与えられるようなプレーをして、恩返ししたいです。これからも応援よろしくお願いします!