愛媛FCレディース　前田 花依選手

愛媛FCLの前田花依（まえだ はなえ）、ポジションはディフェンダーです。愛知県出身で、兵庫県の日ノ本学園高等学校を卒業後、愛媛FCLに入団して1年が経ちました。愛媛県はとても住みやすくて、愛媛の方々の温かい方言が大好きです。

サッカーを始めたのは年長の時です。友達が通うサッカー教室へ体験に行って、点を決められたのがすごく楽しくて。そこからサッカーを始め、小学３年生からは地元のクラブチームでサッカーに打ち込みました。身体能力が高くなかったのでキックを武器にしようと技術を磨き、徐々にコーチから実力が認められてトレセンにも選ばれるようになりました。「いずれは日本代表になりたい」と漠然と考えるようになり、全国優勝を目指せる日ノ本学園へ進学しました。

1年生から試合に出るつもりで入学したものの、１年目はほとんど試合に出られませんでした。というのも、試合中に集中力が切れて、必ず1回は大きなミスをしていたんです。自分の実力のなさが本当に悔しかった。コーチのアドバイスで、試合中はいつ・どんな事態にも対応できるように頭の中を準備することを意識したことで、集中力がついて段々とミスはなくなりました。また、守備専門の外部コーチから戦略や技術を教わり、2年生からはスタメンで出場できるようになりました。キックを評価されてコーナーキックを任されるようになり、「身体能力が高くなくても戦えるんだ」と自信を取り戻すことができたんです。高校最後の冬の選手権大会では、準優勝という結果を残すことができました。

愛媛FCLに入団した昨シーズンは、仕事とサッカーの両立がとても大変でした。夕飯や入浴の時間をどうするか、仕事が終わってから練習までの時間にできることはないかなど、今も試行錯誤しながら生活リズムを作っているところです。

昨シーズンの前期はセンターバックでの出場機会が多かったのですが、段々上手くいかなくなり、一度メンバー外になってしまいました。監督と話し合って守備力の練習を強化し、サッカーの基本である「止める・蹴る」の練習も1からやり直しました。また、試合に出られない間、メンバーや相手チームの上手い選手のプレーをしっかり見るようになりました。

特に意識して見たのは、「ボールを持っていない時に何をしているのか」ということです。上手い選手は周りをしっかり見て、次に良いプレーができる場所に立っていることに改めて気づき、見よう見まねで取り入れました。基本の技術も自分で成長を感じられるようになり、シーズン後半にはセンターバック以外のポジションで試合に出られるようになりました。

いろいろなポジションを経験した昨シーズンでしたが、どのポジションも「2番手かな…」といったところ。自分が何で貢献できているのか掴めていないのが正直な感想です。今シーズンはどこかのポジションで1番を取り、自分の特徴であるキックの精度を磨いてチームに貢献したいです。

自分のプレーの特徴には、コーチング（選手同士の声かけ）も挙げられます。試合中にメンバーが共通認識を持って連動するには、コーチングが必要不可欠。学生時代からコーチングには力を入れていましたが、入団してからはコーチングの質にもこだわっています。例えば、試合中何かに集中している選手には声が届きづらいので、予め話せるタイミングで伝えておくことで、いざという時に指示が通りやすくなります。予め伝えるためには予測力が必要なので、周りをしっかり見て試合の流れを読む力を磨いていきたいです。

愛媛FCLは、話しかけづらい雰囲気がなく笑顔の多い明るいチームです。同時に、グランドでの甘さを感じることもありました。チームが上手く機能しない時は、ミーティングなどで話し合うしかないと思っています。シーズンの中盤から「もっと話し合ったほうがいいんじゃないか」と感じていたので、気づいた段階で提案すべきだったというのが反省点。「1年目だから」「年下だから」と遠慮せず、チームのためにもっと貪欲さを見せてチームを底上げしていく必要があると感じています。

なかなか勝てなかった昨シーズン、どんな試合でもやっぱり勝つことが大事だと痛感しました。悔し泣きするためじゃなく、勝って笑顔になるために、私たちはサッカーをしているはず。サポーターの皆さまのために、何より自分たちが勝って笑うために、キックの精度をさらに磨いてベストの位置にパスを出し、みんなで繋いで点を取りたいですね。

1年目は自分のことで精一杯になることも多かったのですが、今シーズンは自分自身の成長にも目を向けつつ、自分のプレーでチャンスを作ってチームの勝利に貢献したいです。サポーターの皆さまが観ていて楽しいサッカーをしたいと思いますので、引き続き温かい応援をお願いいたします！