愛媛FCレディース 武田 菜津美選手

INTERVIEW

愛媛FCレディース
武田 菜津美選手

現在在籍中

鍛えられた学生時代。サッカーへの向き合い方が変わった

愛媛FCL8年目の武田菜津美(たけた なつみ)、ポジションはディフェンダーです。佐賀県出身で、短大から愛媛に来ました。愛媛は人が本当に温かくて、恵まれた環境に感謝しながらサッカーに打ち込んでいます。

 

サッカーを始めたのは小学3年生で、兄の影響でした。5、6年生の頃に中盤のポジションをやっていて、パスを出して得点に繋がるサッカーのおもしろさが分かり始めました。6年生でトレセンメンバーに選ばれたこともあり、自信がついてますますサッカーに熱中しましたね。

 

高校は全国優勝もしている鹿児島県の鳳凰高校に進学しました。中学までは佐賀県代表で九州大会のトレセンに出たこともあり自信はありましたが、高校に入ると先輩方が圧倒的にうまくて。「このままじゃ試合に出られない」という危機感を覚えたんです。そこで、自主練も人一倍やって、サッカー以外の学校生活も積極的に取り組みました。

というのも、特待生として奨学金をいただいていたので、サッカー部の顧問からは「他の生徒の模範となるように」と、生活面もかなり厳しく指導されていました。必死で勉強しましたし、学校行事も率先してやりました。そのうち、初めてのセンターバックにコンバートされ、大会ごとにキャプテンにも指名されるようになり、自覚が生まれてサッカーとの向き合い方がガラッと変わりました。とても厳しい学校生活でしたが、心身ともに鍛えられたありがたい経験です。

 

大学は、教員免許を取るために4年制を考えていましたが、当時の環太平洋短期大学サッカー部の川井監督から熱烈なオファーをいただき、高校のコーチの勧めもあって環太平洋短期大学に入学しました。そこで教わったサッカーがすごくおもしろくて。ハイレベルなサッカーに、何とか食らいついていきたい一心でした。大学の頃から愛媛FCLの練習に参加していたこともあり、卒業後は迷いなく愛媛FCLに入団しました。

試合に出られない葛藤の日々。支えたのは「愛媛サッカー」への想い

愛媛FCLに入団して数年は、まったく試合出場の機会に恵まれませんでした。転機となったのは入団5年目の2018年。伊賀FCくノ一との試合で、当時の赤井監督に突然スタメン起用されたんです。相手チームは、ボールをガンガン蹴って前の速い選手に競らせるサッカースタイル。長いボールに対しての競り合いが多かったのですが、その競り合いに全部勝つことができました。サッカー人生で1番というくらいの良いプレーができ、そこから試合に出場できるようになりました。ケガで出られないこともありましたが、その頃から「自分はできるんだ」という確信が持てるようになりましたね。

 

6年目の2019年、愛媛FCLが2部リーグで優勝した時は本当にそれまでの努力が報われた思いでした。試合に出場できない時期は11年が葛藤で、「他のチームなら試合に出られるかな」と考えることもありましたが、やはり「愛媛で出たい」という想いが強かった。愛媛のサッカーが好きなんです。キーパーから繋いだボールを、ちゃんと下からビルドアップしてゴールに行く愛媛のサッカー。プレーしていて面白いですし、このサッカーで上を目指したいという想いがあります。

伝統を守りながら、チームのために殻を破りたい

昨シーズンは他チームへ移籍し、今シーズン愛媛FCLに戻ってきました。他チームを経験して身に染みて感じたのは、愛媛FCLには自分を犠牲にしてチームのために戦える人が揃っていることです。例えば、試合に出られなくなったメンバーがどう動くかで、チームの雰囲気はガラッと変わります。試合の90分間は、出られない悔しさを抑えてチームのためにベンチメンバー、メンバー外選手全員が動く。それは、現在チームのコーチである阿久根さんたち先輩方が、選手時代に残してくれた伝統です。

 

私たちベテランが、先輩方が築いた伝統を守っていかなければならないと感じています。プレー以外の面でも、メディア対応やイベント活動に前向きに取り組み、常にスポンサーやサポーターへの感謝を持って行動するということも、メンバーに伝えながら自分が率先して背中で示していきたいです。

 

今シーズンはリーグ戦で2勝という苦しい結果でした。理由を振り返ってみると、チーム仲はいいけどミスを指摘できない、ある種「生ぬるい」雰囲気があったことは否めません。2019年優勝の時の雰囲気と違い、正直、チーム全体に厳しさが足りなかった。それは、私たちベテランが作っていくものだと思って責任を感じています。

 

かつては同じ短大出身のメンバーが多く、厳しくて当たり前の共通認識がありました。今は、様々な大学から集まっているメンバーで、当たり前の基準がありません。言い方・伝え方をしっかり考えながら、まずは私たちベテランが殻を破って、チームのために厳しいことも言って結果に繋げていきたいと考えています。

「俺たちがついてる」の声に支えられた1年。結果で恩返しを

シーズン通して1年間、試合に駆けつけ、また配信を見て応援してくださるサポーターの方々、職場で声をかけてくださる方々に、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。結果で恩返しできなかったことを申し訳なく思っています。負け続けた時は、応援してくださる方々の顔が浮かんで、スタンドに向かって顔を上げられないことも多かった。でも「大丈夫!俺たちがついてる」と声をかけてくださるサポーターの方々がいたからこそ、1年間チームとして踏ん張ることができました。

 

来シーズンも「優勝」という目標は変えたくないと思っています。今シーズンに出た課題をしっかり整理して、私が引っ張っていけるようにがんばります。引き続き応援をお願いいたします!

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